こんにちは。京都の着物屋の若旦那です。
今回は紬の解説をします。
紬とは?
紬はおしゃれなカジュアル着として人気の着物です。
正確な定義としては、「紬は絹織物の一種で、真綿糸(まわたいと)や玉糸(たまいと)などを用いた先染め・平織の織物」のことです。
たくさん、専門用語が出てきたので、少し解説します。
真綿糸(まわたいと)
繭を薄く引き伸ばした状態で精練し、熱く濡れた状態での練り繭を人の指で引き延ばし、木枠や帽子のような型を使って袋状や四角形に整えてます。
そうして出来た真綿原料を使ってひく糸が、真綿糸です。
真綿糸は軽く、柔らか炒め、空気をたくさん含みますので保温力が高く、また、紡績途中で他の繊維が混入しにくいことが特徴です。
玉糸(たまいと)
くず繭の中で、2匹の蚕が共同で一個の繭にしたものを玉繭と言い、その玉繭から糸を引き出したものを玉糸と呼びます。
玉繭は、普通に養蚕をしていると2~3%の割合で出てくるものですが、繭から2本の糸が出るために、糸をつくるときに絡まってしまい綺麗な糸を作ることができません。
玉繭から玉糸を挽き出す「のべ引き」と呼ばれる作業は、玉繭から出る2本の糸が複雑に絡み合うため、糸づくりが非常に難しく、職人の高度な技術が必要とされます
しかし、この高度な技術によって挽き出された玉糸は、弾力性・伸張性に優れ、紬独特の風合いを生み出します。
先染め(さきぞめ)
先染めは、反物を織る前に、あらかじめ糸を染色することを言います。
先に染められた糸で反物を織っていきます。
平織(ひらおり)
平織(ひらおり)は、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を交互に浮き沈みさせながら織る、最も単純な織物組織です。
できあがった織物の模様は左右対称になります。
丈夫で摩擦に強く、織り方も単純なため、広く使われている織り技術です。
全国の有名な紬
紬は全国各地で織られており、米沢紬(山形県)、結城紬(栃木県、茨城県)、塩沢紬(新潟県)、大島紬(宮崎県、鹿児島県)などが有名ですね。
紬は生産地の名前が付けられていることが多く、産地によってさらりとした風合いや素朴な感触などそれぞれ特徴があります。
一般的には、絣(かすり)、縞(しま)、格子(こうし)などの柄が多いのですが、無地のものもあります。
絣で模様を織り出したものは、技術的に手間がかかります。
紬の写真
まず、どちらかと言えば珍しい無地の紬です。
View this post on Instagram
次に縞模様の紬です。
View this post on Instagram
こちらは格子柄の紬ですね。
View this post on Instagram
紬の着用シーン
紬はカジュアル着ですので、結婚式などのフォーマルな場にはあまり着ていくことはありません。
趣味のおしゃれ着として着るのがおすすめです。